vol.07 流 麻二果:つむごう 〜 宮城県多賀城市立多賀城小学校「ふれあい事業」におけるワークショップ 〜

2011.12.03

【実施日】
2011年12月3日(土) 9:20〜11:35
【参加者】
多賀城小学校の生徒100名(3グループにわけて小1〜6 + 特殊学級の児童)
【実施日】
2011年12月3日(土) 9:20〜11:35
【場 所】
宮城県多賀城市立多賀城小学校(宮城県多賀城市伝上山1-1-1)多目的ホール
【主 催】
多賀城小学校PTA
【実施団体】
関西学院大学 Heart On Coin “絆”プロジェクト
【協力団体】
国際協力アカデミーAICAT、宮城大学、一時画伯推進委員会
【ふれあい事業とは】
〜ふれあい事業に参加することとなった経緯〜
AICAT(国際協力アカデミー)を主宰している関西学院大学・関谷先生から一時画伯・流にお話をいただき、12月3日に多賀城小学校で開催される「ふれあい事業」において一時画伯にコンテンツを依頼され参加することとなった。
※ 関西学院大学の学生を中心とした東日本大震災復興支援「Heart On Coin “絆”プロジェクト」のイベントとあわせて開催
《題 目》AICATが基本的に毎年開催しているイベント「冬のふれあい事業」
《趣 旨》「子供たちの笑顔を取り戻すこと」
《テーマ》「多くの人とふれあい、感謝する気持ちを育てていきたい」
《当日のコンテンツ》子供たちと地域の方々と「昔の遊びと餅つき」を実施、
世界の遊びコーナー・一時画伯WS
《一時画伯WS》「つむごう」
【趣 旨】
大きな細長い紙に、好きなように描く。
それを一本の糸として布を織るように、その紙を縦横に織り込む。
それぞれの絵(糸)が一枚の絵(布)となる。
どんな色になってるかな。どんな模様に見えるかな。

子供たちに、それぞれ思い思いの好きな絵を描いてもらう。透ける紙にひとりで描いた絵を、別の参加者の作品と重ね合わせ、自分ひとりでは描いたものとは異なる新たな1枚の絵をつくる。自由に描くことで絵の具と存分に遊び、描くことや色の楽しさに触れると同時に、人と繋がっていくことで新たな作品が生まれていくアートの面白さも伝える。

【手 順】
STEP.1 各自に短冊型にカットしたトレーシングペーパーを配布
STEP.2 色選び(2色まで)、段ボールのスタンプ制作のオーダー
STEP.3 縦糸5人・横糸5人の要領で、10人分の作品5枚を縦横に編み込み、紡ぐ
STEP.4 下足室前であり中庭の前にある窓ガラスに、つむいだ作品を掲示→撮影
STEP.5 後日つむいだもの同士をPC上で全員分つなげ、最終的に大きな1枚の絵に
※今回は、作品をしばらく学校で展示してもらい、後日児童に返却
【担当アーティスト】
流 麻二果(ながれ まにか)
1975年生まれ、女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒業。
若手作家の登竜門「VOCA 2000」への出品を皮切りに、「文化庁新進芸術家在外研修員(NY滞在)、2004年ポーラ美術振興財団在外研修員(NY・トルコ滞在)などを経て、2006年「VOCA 2006」、「POLA新鋭展」、2008年「損保ジャパン美術財団選抜奨励展」等の出展作家に選ばれる。2010年12月、新国立美術館開催の「DOMANI・明日展2010」に出展。現在、油彩作品の発表をベースに、他ジャンルの人たちとのコラボレーション制作やワークショップを行うなど多方面に活躍中。「一時画伯」発起人。
流麻二果HP:http://www.manikanagare.com"

【REPORT・前編】vol.07 流 麻二果:つむごう 〜 宮城県多賀城市立多賀城小学校「ふれあい事業」におけるワークショップ 〜

2011.12.05

written by フナコシ

先週末の12月3日(土)、一時画伯のワークショップ「つむごう」(※Tokyo Wonder Siteで開催した「つむごう」はこちら)を宮城県多賀城市立多賀城小学校で開催しました!

↓会場となった小学校の多目的室。広くてキレイで使いやすい!

一時画伯・発起人である画家・流 麻二果は、以前トルコ大地震に際に現地で復興支援ワークショップや展覧会を開催しており、今回の多賀城WSは、そのトルコ大地震復興支援プロジェクトを主催していた国際協力アカデミーAICAT(代表理事・関西学院大学の關谷先生)とのつながりで、お話をいただきました。

 

多賀城小学校のPTA主催、毎年行われる《お餅つき》などの「冬のふれあい事業」に、AICATが関西学院大学の学生を中心として活動している東日本大震災復興支援プロジェクトHeart on Coin “プロジェクト」が、学校や地域の方々に元気になっていただけるようなイベントを行うとのこと。そこに私達も一時画伯としてワークショップを開催させていただいたわけです!

 

一時画伯・流(発起人) & 舟越(事務局長)は、先発隊で前日に宮城入り。

仙台駅から車で30分ほどで多賀城小学校に到着、まずは関西学院大学の方々と校長先生、PTAの方にご挨拶。

こちらの小学校は、幸いにも校舎は被災しておらず、また児童も全員無事だったけれども、ご家族やご親戚が犠牲となった児童たちもいるそうです。

そういった背景がなくても、子供たちの心にあの震災は間違いなく深い爪痕を残していて、我々が宮城に到着する時間の少し前にも震度3くらいの地震があったのですが、それはそれはすばやく机の下にもぐり身を守っていたそうです。

校長先生は、「今年はテストの点が悪くてもいい。心の勉強をしてくれればいい」とおっしゃっていて、絆プロジェクト・一時画伯の企画を快く受け入れて下さいました。

一時画伯メンバー、個人個人では東北入りしていたのですが、一時画伯としてWSを催すのは9月以来で少し時間があいてしまったこと、さらに、一時画伯発足以来の初の100名を超える子供たちが参加してくれるということで、期待と不安が入り交じっての準備段階でしたが、校長先生とPTAの方のお話、寒い中校庭で元気よく遊んでいる子供達の姿、関学の学生さんのしっかりとした準備を目の当たりにして、俄然ファイトがわいてきた私たち。

 

そこにさらに、強力なメンバーが加わることに…!!

 

私たちが9月にWSをした東松島・浜市番屋の設計担当/宮城大学の岩城くん & WSを一緒におこなった宮城大学のARTサークル・ART STANDART.から、こちらも番屋プロジェクトをやっている遠藤くんと、サークルメンバーの女の子、マイちゃんも一緒に小学校に来てくれることになったのです。

 

そして当日朝には、一時画伯・田中(委員長)と、いつも一時画伯WSで大活躍してくれるデザイナー・ハナちゃんも合流。

さぁ、いよいよWS開始です…!

 

(後編へ続く)

【REPORT・後編】vol.07 流 麻二果:つむごう 〜 宮城県多賀城市立多賀城小学校「ふれあい事業」におけるワークショップ 〜

2011.12.05

written by フナコシ

今回おこなった「つむごう」というワークショップは、画家・流 麻二果によるプログラム

「つむごう」は、一時画伯WS vol.01として、Tokyo Wonder Siteで開催したもの(その時のREPORTはコチラ)です。

 

まずは半透明に色や形が透ける素材のトレーシング・ペーパーに、

好きな色や形をおいてもらいます。

写生のような「うまく形を描く」要素は一切ないので、

《お絵かき》というよりは《絵の具と遊ぶ》感覚

 

それを、今回は10人分集めて、トレーシングペーパーを縦糸・横糸と考えて縦・横5人分ずつを

編み込み、つむいでいくと、お友達の作品と自分の作品とが重なって、新しい色や形が生まれてくるというもの。

窓にはると、さらにさらに透けて、太陽の光の強さや角度によっても新たな表現があらわれます。

===

前日に関学の学生さん・PTAの方達と一緒に会場の養生シートセッティングは終了していたので、

WS当日は細々とした備品セッティングと、「色コーナー」「段ボールスタンプコーナー」の設置から。

設置の間に、絆プロジェクトから小島さん(関学の学生さん)と、担当アーティスト・流が「冬のふれあい事業」開会式で子供たちにご挨拶。

体育館で、絆プロジェクトの企画「世界のあそび」(※カバディなど何種類も!)をやっているあいだ、1年~6年生・特殊学級の子供たちが3つのグループに分かれて多目的室で「つむごう」に参加してもらいました。

↓開会式の様子

「段ボールスタンプコーナー」には、トレペに絵の具でぺたんっっとするスタンプを使いたい参加者が集まり、欲しい形が決まったらスタッフが段ボールをカットしてスタンプ制作。

「色コーナー」では、各参加者が好きな色を2選び、色絵の具担当のスタッフに指示してもらいます。

気に入った色ができたら、ローラーやハケ、絵筆、そして段ボールスタンプをもって、絵の具遊びSTART!!

↓段ボールコーナー&色コーナー

男の子に人気の色は、(個人的に人気だと思ったのは)シルバーとブルー。女の子はやっぱりピンク♪

横長の紙に、思いっきりローラーを転がす児童もいれば、

細かく細かく円を描いたり、スタンプをリズミカルにおしていく児童も…

100人いれば、作品も100通り!

色とりどりの「つむごう」のピースがどんどんできていきます。

トレペという素材は、ちょっと水分をためやすいので、つむぐ前に、

PTAの方々や先生たちにも協力していただき、《乾燥隊》結成!

乾いた作品ひとつひとつを、WS担当アーティスト・流 が色や形のバランスを考えてつむいでいきます。

宮城大のART STANDARD. 遠藤くんも《つむぎ隊》…!一時画伯の癒し担当はなちゃんも、もくもくとつむぎます…。

あっという間に3グループのWSが終わると、体育館では《お餅つき》の時間になっていました。

私たちは、つむぎながら・片付けながら、お餅をいただきました。

おいしいいいいい!

そして、いよいよ完成!!

つむぎ終わった作品が、閉会式には間に合わず、体育館でまだまだ元気に遊んでいた子供たちに、

自分の作品がどこにあるのか探してもらいながら、直接披露。

その後、学校に入った正面(靴箱の目の前・中庭の前)の窓ガラスに展示させていただきました!

何日か展示していただけるようです!

↓体育館で披露中

↓玄関に展示!

少しずつ始まった感のある、東北の厳しい冬のなか、

子供たちの元気な姿、それを支えるPTA・教職員の方々とふれあい、元気をいただきました。

この学校は、PTAと学校がしっかりと連携をとっていて、

子供たちへの愛情にあふれているなぁ、どの学校もこんな大人たちに囲まれていたらいいなぁ、と思いました。

↓関学・宮城大・一時画伯のメンバーで最後にパチリ☆

PTA・教職員の皆さん、絆プロジェクトの皆さん、宮城大学の皆さん、準備~本番~片付けまで、本当にありがとうございました!

PTAの皆さんと絆プロジェクトの皆さんが、事前にしっかりとしたオペレーションを組んで

下さっていたので、短い準備期間の中、我々一時画伯のやりたいWSを無事に行うことができました。

 

素敵な企画にお声がけいただき、どうもありがとうございました!!!

「つむごう」に関わってくださった全ての皆さまに、この場をかりて、お礼申し上げます。

そして、流 麻二果が、今回できた10枚の作品を、さらにパソコン上でつむぎます!

 

今回のWSの写真・完成作品は、さらにfacebookでも公開中!➡コチラ

(ふ)

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