【REPORT】vol.11 渡辺元佳:みんなのカラフル カキ ランタン 〜かき小屋 唐桑番屋〜 |ワークショップ贈りませんかプロジェクト vol.01|

2012.09.05

 written by フナコシ

 

レポートが遅くなり申し訳ありません。

7月28日(土)、一時画伯の東日本大震災復興支援プロジェクトのひとつ「ワークショップ贈りませんか」プロジェクトがスタートしました!

東北3県に、一時画伯のワークショップを贈ろうという企画で(詳細はコチラ)、第一弾の今回は、彫刻家・渡辺元佳くんによるワークショップです。

渡辺元佳くんは、一時画伯ワークショップvol.02リユースアート動物園で登場、今回は2回目の一時画伯ワークショップですが、一時画伯を起ち上げて間もない頃に初めて行った東北視察に同行していて、実はこの「ワークショップ贈りませんか」の原案はそのときに彼が出してくれたアイデア。

いよいよ実現となった今回は、宮城県気仙沼市にある唐桑(からくわ)半島にある番屋(漁師小屋)で開催しました。

 

ワークショップの内容は、カキの養殖が盛んな三陸地方・唐桑で、カキ型のランプシェードを彩りランタンをつくるというもの。

カキは、作家が制作した型をつかって、紙でつくり東京から持参。紙の彫刻のような感じです。

子どもたちにはそのカキ殻に、未来に向けて、また、自分の思いを色や絵に取り入れて彩ってもらいます。

ランタンにはLEDライト。カキの養殖の方法のひとつである「カキ筏(いかだ)」に連なるカキをイメージさせるような形になる予定!

 

ワークショップの場所は、一時画伯が宮城県で活動する際に一緒に動いていただいている宮城大学の竹内泰先生・竹内研究室が建てた番屋(=漁師小屋)。開催場所のアレンジ、そして番屋を管理している漁師さんとの連携は、竹内先生・研究室の学生さん達がおこなってくださいました。

唐桑の番屋は、なんと「かき小屋」としても運営しており、5月くらいまでは、一般のお客さんが番屋でカキが食べられるシステムになっていたり、ウッドデッキもあったり(目の前に海が広がる)、とっても素敵なところ。(「かき小屋・唐桑番屋」で、かき小屋として営業していたときの様子

そして、いつも当日スタッフとして活躍してくれる宮城大のサークル「Art Standard.」から3人のメンバーが来てくれました☆

 

 

2時から4時の予定でのワークショップ。

今回は「立ち寄り方式」のワークショップにして、このあいだの時間だったら気軽に来て描いていってね、というスタイルにしました。

「今年いちばん唐桑で暑い日」だったり、日程をフィックスするのに時間がかかり、直前の告知となったこと、はじめて気仙沼で一時画伯ワークショップを行うということもあって、どんな子ども達が来てくれるのか、まったく予想できないまま準備をしていたら…。

 

パパと一緒にかわいい女の子が登場!

すごーーーく真剣に色を選び、もくもくと描いて行きます。彼女はかなり繊細な絵を描いていました!

 

パパも後ろから見守ります!

 

そうこうしているうちに、番屋のすぐそばにある児童館のお祭りに参加した後に寄ってくれた子ども達も!

おばあちゃまと一緒に。


気仙沼のほうから「どんな感じ~?」と、覗きに来て下さった「気仙沼バッグ」を持った方や、パトロールで巡回している方たちにも何をやっているのか説明。

※唐桑は気仙沼駅のほうから30分くらい車でいったところにあります

子ども達は……というと。当初「ひとり1~2個、描いてくれたらいいかな」と思っていた私たちの予想を覆し、もーう、いっぱーーーい!

ひとり10個以上描いていたと思います☆


 

保護者として来ていたおばあちゃま達も最初は「絵心ないから~」と断っていたのだけど、子どもたちの真剣さに負けてか?笑、どんどん描きはじめてくれました!!

 

「どんな様子ですか~?」と、この番屋の責任者である漁師の畠山さん登場。

畠山さんのおかげで、冷蔵庫や氷なども使わせて頂けたりして、ほんとうに気持ち良く使わせてもらえて…。

(この日、猛暑日だったので、スタッフも参加者も汗だく。笑。購入した飲み物を冷やせるように、前もって準備して下さっていて、そのお心遣いに感謝感激です)

 

Art Standard.のみんなも、アーティストの元佳くんも、一時画伯スタッフも、描いてきましたよ~。

 

とにかく子ども達の集中力は凄かったです。いろーーーな色をつかって、いろーーーーんな絵を描いてくれました。

1時間くらい居てくれるかなぁと思いきや、全員3時間以上?もくもくと、そして談笑もしながらカキランタンを制作します。

描いたカキ殻は、アーティストの元佳くんとArt Standard.の手によって、どんどんLEDライトにぶら下がって。

 

どうやってつけるの?どこにつけよう?とものすっごく真剣!

 

途中、ウッドデッキで一緒に遊んだり。

と思いきや、一時画伯バッチを海におとしちゃった!!

……でも大丈夫。元佳先生がちゃーーんと見つけて拾ってくれました!
いよいよ用意したすべてのカキ殻に絵が描かれ、ランタンになり。あとは日が暮れるのを待つだけ!

子ども達はいったんお家に帰り、ごはん食べて・お風呂にはいって・日が暮れたらまた来てくれる、とのこと☆

 

この海が、この町を、町の人を、産業を、めちゃくちゃにしたとは想像ができない(したくない)。それくらい、唐桑の海は涙がでるほど穏やかなときの美しかったです。
(海に浮かぶのは、カキ筏)

 

今回は保護者の方たちとゆっくりコミュニケーションをとることができたのですが、こんなに美しく見える海でも震災後の唐桑近辺では、海水浴ができる場所は1カ所になってしまったそう。

海の中に、まだ瓦礫やガラス片などがある可能性が高いのだそうです。だから、こうやって絵を描いて遊ばせることができるのは嬉しい事、と言っていただきました。
さて、日が暮れて、子ども達も戻ってきてくれて、点灯!唐桑の海をバッグに、みんなでカラフルに彩ったカキランタンが青く光りました!

 

今回、一時画伯としてはまだ縁故がほとんどない気仙沼での開催でしたが、宮城で出会った方々は本当にあたたかくて。

 

番屋のそばにあった児童館の先生たち。

「こんな楽しそうで素敵なこと、やるならば是非ご一報を!子どもたちに知らせますよ!」と言って、飛び込みの私たちにも関わらず、多くの子どもたちい知らせて下さいました。

 

私たちが宿泊したユースホステルの方たち。

美味しくてたっぷりの食事を用意してくださり、また、私たちの活動に興味をもって、次回やるときはいろんな人や周辺ボランティアの人達にお声がけして下さる、と…。

 

番屋を取り仕切る畠山さんご夫妻。

いろいろな心遣いをしてくださり、自由に番屋を使わせていただきました。

 

告知をしてくださった小学校の校長先生。

夏休み直前だというのに、全校生徒にプリントして告知して下さいました。

 

参加してくれた子ども達と保護者の方達。

何時間も暑い中、いっしょに遊んでくれ、最後はいっしょに花火までしちゃいました!そして保護者の方達の子どもさんへの愛情あふれる対応に、胸がいっぱいになりました。

 

そして、強力なサポートをしてくれた宮城大の竹内先生と宮城大の学生ちゃんたち。

あんなに気持ちの良い学生さんたちがいるなんて、頼もしい…!自分で進んで動いて本気で子どもたちと遊んでくれる、本当に素敵な学生ちゃんたち。
竹内先生は見た目も中身もいつも頼もしく、ご自分のプロジェクトもお忙しいのに番屋や小学校との繋ぎ役をやってくださいました。

 

最後は、番屋に入ってすぐに見える場所にランタンを移動させ、私たちも壁にメッセージを書かせてもらいました。

またここでワークショップをやりたい!と思いました。

 

今回の開催に際し、支援金の協力をいただいた田中千賀子さま、そして協力して下さったすべての方々、参加者の皆様に改めて感謝申し上げます。

ありがとうございました!

 

そして、アーティストの元佳くん・ランプシェード作りを夜な夜なやってくれたさくらさん・仙台から日帰りで来てくれたArt Standard.のあかねちゃん・ひかりちゃん・さやちゃん、お疲れ様!

 

このワークショップの写真は、facebookの一時画伯ページまたは当サイトのフォトギャラリーページから見ることができます。

ぜひご覧ください。

現在、ランタンは、番屋の入口はいってすぐの天井に移設し、番屋に入るとランタンが迎えてくれるようになっています。


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